職場におけるダイバーシティ:オフィスを変革するダイナミクス
ここ数年、世界のあらゆる職種や業界にて「職場におけるダイバーシティ」が話題になっています。市場におけるプレゼンスを高め、業績向上を目指している企業にとって、このテーマは間違いなく優先事項の上位に位置しています。しかし、それは単に経営層や管理職のノルマというだけではありません。職場におけるダイバーシティを確立した企業は、クリエイティビティ、革新性、そして財務的リターンにおいても良い結果を示しています。
職場におけるダイバーシティがいかに重要であるかを考えると、実際にその価値観と行動を職場文化に導入するための工夫が必要です。職場でこのような価値観を定着させるための第一歩は、模範を示し、多様な個々人がその可能性を最大限に発揮できるような機会を提供してくれる「アライ:理解者」を見つけることです。
ここ数年、アライシップは多くの企業で重要なトピックとして話題に上るようになりました。また、Dictionary.comでは、2021年を最もよく表す言葉として「アライシップ」を挙げています。これは、現代の企業の職場において、ダイバーシティがこれまで以上に重要であり、避けられない課題であるということを示しています。
アライシップとアライ
アライシップとは、職場で多様な人々と働き、支え合うための継続的な取り組みのことで、特権を持つ人が、既存の制度や偏見により、ある特定のグループの基本的な権利が侵害されている際に、その改善のために立ち上がることを目的としています。例えば、女性が話しているときに、男性が「自分の説明の方がわかりやすい」と、話を中断する場面を思い浮かべてみてください。その状況で、他の男性が、その女性のもたらす能力を台無しにすることなく、最後まで話をさせるために割って入ったとしたら、その男性が女性の「アライ(理解者)」となるのです。このように、アライはダイバーシティを尊重する価値観を職場に浸透させることができます。アライとは、声をあげられない多様な人々のために声をあげることのみならず、多様な人々が自分自身の考えを述べることができるような場を提供するために、自分の声を利用することを意味します。まずは職場におけるダイバーシティに目を向けてみてください。
職場におけるダイバーシティのためのアライ
アライは、職場におけるダイバーシティを定着させ、マイノリティグループの個々人が尊重されていると感じ、自ら発言する力を得るために、重要な役割を果たします。自分自身がアライになれるか?ー?答えはイエスです。誰でも、そして誰もがアライになれます。アライとして、、現代社会においては、何かしらのマイノリティであることは、簡単な立場ではないかもしれないことを心に留めておくことが大切です。男性であれば女性のアライに、白人であれば黒人のアライに、シスジェンダーであればトランスジェンダーのアライになれます。
特にLGBTQ+コミュニティは、異性愛者やシスジェンダーに比べ、職場での対立やハラスメントのリスクが高いため、アライシップが重要視されるのです。最近の研究では、トランスジェンダーの約55%が職場での衝突を経験しているのに対し、異性愛者やシスジェンダーはその29%が同様な経験をしたと答えており、この問題の大きさが際立っています。職場におけるダイバーシティを確保することは大切ですが、同様に、すべての人が公平かつ平等に扱われることを担保担保することも重要です。
口だけでなく、袖をまくって行動へ移すしかし、アライの言動が実際に行動に移されないと、職場におけるダイバーシティは損なわれてしまいます。これを、「パフォーマティブ・アライシップ(Performative Allyship)」と言います。ここでキーワードとなるのが「パフォーマティブ(見せかけだけの)」です。パフォーマティブ・アライシップでは、人々の注目がマイノリティ少数者自身のグループから、「(ダイバーシティのために立ち上がる)良い人」として認知されることを目指すアライに移るのです。パフォーマティブ・アライであると、せっかくアライであっても、利己的・不誠実とみなされることがあります。
特権的な立場を利用し、他者からの信頼と承認を求めることで、自分自身を良く見せ、優越感に浸ることに陥る…それはもはや、少数派のグループやコミュニティを助けようとする姿勢からは遠ざかってしまっています。。このような人たちは、職場におけるダイバーシティを確保・推進するどころか、むしろ更なる軋轢を生み、少数派の人たちに対する見せかけだけの平等扱いやサポートを生み出す可能性があります。
残念ながら、この種のアライシップはいまだに多く存在し、職場におけるダイバーシティに隔たりを生み、少数派の人たちに不満が残ります。利己的なアライシップは、職場においていまだ問題視されておらず、その存在が特定されることは極めて稀と言われています。
職場におけるダイバーシティがもたらすアウトプット向上
真のアライは、パフォーマンス的な見せかけだけのアライとは異なり、すべての人のためになるよう意図的、積極的、意識的に努力し、職場におけるダイバーシティを高めます。社会的に少数派であってもサポートされ、“心理的に安心できる居場所”を持てるような関わり方をすることで、これらのコミュニティに属する人々は帰属意識を持ち、より快適に能力を発揮することができるようになります。そうすることで、すべての人にとって快適かつ働きがいのある職場環境を創ることができるのです。私たちは、グローバルなダイバーシティ&インクルージョンのコンサルティング会社として、職場におけるダイバーシティなどの社会的課題に取り組み、働き甲斐のある企業、生き甲斐のある社会を実現することをビジョンとして掲げています。Ikigai Authenticと共に、職場のダイバーシティとインクルージョンの可能性を引き出し、あなたのビジネスを成長させましょう。