職場の「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」の意識

無意識の偏見という問題は、現代のビジネス社会では意外と多くの場所に潜んでいます。毎日、私たちの脳は数多くの仮定や判断をしていますが、その大部分は自分自身の中に留めています。多くの場合、私たちは、無意識に特定の個人を先入観で判断したり、ステレオタイプ化しています。私たちの意識の中にある先入観を完全にコントロールすることはできませんが、それが人生や社会生活に大きな影響を与えることがあります。

無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)とは何か?

無意識の偏見とは、私たちがコントロール出来ない領域の思考を指します。これらの偏見は、私たちが抱いている信念と相反する可能性すらある根深い固定観念や態度であり、私たちの行動に影響を与えているかもしれません。これら思考は心の奥深くに存在し、率直に言って、自身で認識することは非常に難しいものです。無意識の偏見を引き起こす要因は人それぞれで、人生経験、社会的地位、民族的背景、あるいは体重や身長などの外見、名前など、さまざまな要因に影響されるからです。無意識の偏見にはさまざまな種類がありますが、ここでは注意すべき3要素を紹介します。

外見に対するバイアス

このタイプの偏見は、他人の外見に基づいて判断することを指します。これには、外見の美醜、体重、身長的特徴が含まれます。例えば、背の高い人はリーダー的な役割に適していると思われがちです。

親和性バイアス

親近感の偏見とは、自分と似ている人に引き寄せられる傾向があることを指します。この要因には、外見、経歴、考え方などが含まれます。このため、見た目や考え方が似ている人を採用することになり、視点や思考が非常に類似する可能性があります。

確証バイアス

確証の偏見とは、自分の信念を確認するために新しい情報を探し、良いように解釈しようとする無意識の傾向のことです。このような偏見は、意思決定などのプロセスに大きな影響を与えることがあります。


上記のような要因が無意識の偏見を生み、不平等で、人種差別的、性差別的な言動につながる可能性があります。だからこそ無意識の偏見を回避することは、健全で機能的な職場づくりを目指す企業にとって取り組むべき最優先事項の1つなのです。無意識の偏見は、私たちの態度や行動、場合によっては意思決定に著しい影響を与えることがあります。このため、当社の提供するダイバーシティ&インクルージョン、エクイティに関するトレーニングでは、ビジネスリーダーが無意識の偏見を最小限に抑えることを目的としています。

職場における無意識の偏見

職場で無意識の偏見の問題が実際に起こると、重大案件になりかねません。無意識の偏見は、有害かつ不公正な職場環境を生み出すだけでなく、社員がキャリアアップする機会を奪う可能性もあります。例えば、無意識の偏見は、採用の過程で弱い立場の人に不利益を与えることがあります。採用担当者が「男性は女性よりよく働く」「若い人は経験が足りない」「年配の人は時代遅れだ」と考えていたとすると、挙げられたこれら全ての固定観念が意思 決定のプロセスに強く影響する可能性があります。つまり、これにより不平等な扱いを生み出し、女性がキャリアで成功するのを阻害する企業文化が形成されることに繋がりかねません。このような企業文化をそのままにしてしまうと、結果的に、多様性に欠ける偏った人材で構成される組織となってしまいます。。

社内が多様なチームメンバーで構成されることが、企業業績や収益にどのような効果をもたらすのか気になる方は、ぜひ「“Diversity and Inclusion: We can’t go forward without it”」をご覧ください。

多くの企業は、無意識の偏見がもたらすデメリットをすでに認識しており、専門的なコンサルティングを受けることで、問題への適切な対処を目指しています。ダイバーシティ&インクルージョン、エクイティのトレーニングでは、無意識の偏見とは何かについて理解を深め、それを職場から排除をするための方法を提案します。2017年のマッキンゼーのレポートによると、毎年、米国に拠点を置く企業はダイバーシティトレーニングに80億ドル近くを費やしているとされています。これは、ビジネス世界で平等な機会を創出し、多様なチームを持つことが如何に重要かを示しています。

真の課題には真の変革が必要

マイノリティに属する人々の機会均等を妨げてしまっている根本的なな企業文化を再定義し、それを変え、無意識の偏見を避けるために、シンプルで具体的な解決策を取り入れることが重要です。例えば、採用プロセスを改革し、年齢記載の欄を削除し、写真添付は応募者の自由意志にすることで、採用担当者は無意識の偏見の可能性を最小にすることができます。さらに、少なくとも2つの異なるソーシャル・プラットフォームに求人広告を掲載することで、応募者層を広げることができます。また、求人広告で使用されている、男性に関連する偏った特徴を想起させる言葉を見直すことで、より寛容なイメージを与え、より多くの多様な応募者を引きつけることができます。

社員が生き生きと働ける環境を私たちと一緒に作りましょう

チームメンバーの行動改革を試みることは、複雑で難しいプロセスを要します。私たちは、このような問題に効果的に取り組み、ダイバーシティ&インクルージョン、エクイティの価値を企業環境にスムーズに取り入れるためのトレーニング、セミナー、コースを提供することを専門としています。

無意識の偏見から生じる問題に真摯に向き合い、そのリスクを効果的に排除する方法を学べるインクルーシブ・リーダーシップ・トレーニングは、均等な雇用機会の創出に真に取り組む企業にとって必要不可欠です。ダイバーシティ&インクルージョン、エクイティは、各企業の就労環境や企業戦略にとって不可欠なこととして認識されるべきです。私たちの、皆様のニーズに合わせたレクチャー、トレーニング、セミナーは、日常業務を変革・改善することを可能にします。

ダイバーシティ&インクルージョン、エクイティをどのように取り入れれば、御社に利益をもたらし、チームメンバーの無意識の偏見のリスクを最小化できるかについて、当社の専門家によるンサルティングにお問合せください。ダイバーシティは現実としてすでにその場に存在するものですが、インクルージョンは意識的に心がけた行動が必要です。社員が生き生きと働けるような、より健全な職場環境を創るお手伝いをさせてください。

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