IKIGAIモデルから考える新年の抱負

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

新年になると目標や抱負を掲げたくなる方も多いと思います。私たちもSMARTゴールやStart, Stop, Continueモデルを使用することも多いのですが、私たちが大切にしている価値観であるIKIGAIモデルで2023年の抱負を考えてみるのはどうでしょうか。

Ikigai Model                                                           

IKIGAIモデルは、Marc Winn氏によって提唱されたダイアグラムです。このモデルは、以下の4つの要素から成り立っています。弊社の社名にもある”IKIGAI” とは、日本に古くからある「いきがい」のことを指しています。これの意訳として”Authentic” (本来の自分らしさ)をあてて社名にしています。ダイバーシティやインクルージョンを推進することは、つまるところ「一人ひとりが自分らしく活き活きと活躍できる組織や社会を実現すること」であると考えるようになりました。

このモデルは以下の4つの要素から成り立っています。この4つの要素を組み合わせたりバランを取ったりすることによって、私たちのIKGAIを探求する目印になります。

  • WHAT YOU LOVE (自分自身が好きなものや情熱を持っているもの)

  • WHAT YOU ARE GOOD AT (自分自身が得意であったり自信を持っているもの)

  • WHAT THE WORLD NEEDS (社会やコミュニティが求めているものやニーズ)

  • WHAT YOU CAN BE PAID FOR (あなたが対価や報酬を支払われるもの)

もちろん、すべての要素を持ち合わせることが理想的に思えますが、自身が欲するものと世間が求めるものが必ずしも一致しない状況も少なくありません。その事実に落胆することなく、自身が満足ができるバランスを見つけることも重要です。たとえば、人によっては、他人の役に立ったり、感謝されることにIKIGAIを強く感じる人もいます。または、自身の専門性を飽くことなく探求し続けることに、自身のIKIGAIを実感できる人もいます。この4象限には、主観的な要素と客観的な要素が網羅されています。最初のふたつの象限は、どちらかというと自分自身のことであり、自分が何が好きなのか、何に自信や誇りを持つことができているのかに付随しています。一方、あとのふたつは、自身が所属するコミュニティにおいて求められていることや社会的なニーズであり、必ずしも自分のコントロールが及ぶ範囲ではありません。一つひとつの要素を順番に見て行きましょう。

※Ikigai Authentic社の解釈・考察も含まれています。

WHAT YOU LOVE                                                                        

 IKIGAIの1つめの要素は、自分自身が好きなものや情熱を持っているものです。個人的に、自分自身のIKIGAIを考えるうえで、もっとも大切な要素のひとつであると思います。社会や組織に所属して生きていると、どうしても他人からの期待や、上司や同僚からのニーズなどに大なり小なり影響されています。また、同調圧力が強い文化の中に生きている場合は、社会的な役割期待を強く求められることもあります。自分自身が情熱を燃やしてやまないものや無条件に好むものを明瞭にしておくことは、自己肯定感を高く維持し、さまざまな状況下におけるレジリエンス(逆境力)、メンタルヘルスを健康に保つことにつながります。

WHAT YOU ARE GOOD AT                                                                      

  2つめの要素は、自分自身が得意であったり自信を持っているものです。これには、スキルや経験、知識なども含まれます。今年の抱負や目標を立てるうえで、さらに日々鍛錬したり向上したりできるものとしてSMARTゴールを設定することもできます。SMARTゴールとは、Specifc (具体的である) Measurable (測定可能である) Attainable (達成可能であるである) Relevant (関連性のある) Time-bound (計画的である)の実践的な目標に必要な5つの要素を指します。自身のスキルや知識などを磨き、自己成長を続けることは、他の2つの要素である対外的なニーズ、報酬や対価などにも影響してきます。

WHAT THE WORLD NEEDS                                                                      

  IKIGAIの3つめの要素は、社会やコミュニティが求めているものやニーズがあります。前の2つは、自身のスキルや情熱など、主観的な要素が多かったのに対し、対外的・客観的な要素もIKIGAIモデルでは網羅されていることも特徴です。自身が所属する組織や社会、コミュニティにおけるトレンドやニーズがどこにあるのか、それに対して自分がどのように貢献・価値を提供することができるのかを考え、アンテナを高く張ることもIKGAIや自身の存在意義を具体化するうえでは大切な要素かもしれません。

WHAT YOU CAN BE PAID FOR                                                                         

 最後の要素は、あなたが対価や報酬を支払われえるものです。仕事をしたりキャリアを築く理由のひとつは、生活基盤を調えたり、自身の求めるライフスタイルを維持したり向上することでもあります。もちろんこれが自身のやりたいことや情熱と大きく合致することが理想的かもしれませんが、人によってはスキルや役割期待とこれが乖離することがあります。必ずしもこの要素が自身のIKIGAIの大部分を占めていないかを自覚することも重要と言えるかもしれません。

2023年の抱負=自身のIKIGAIをバランスを考えること                                                                   

これらの4つのバランスを考え調えることで、2023年の自身の抱負や目標を整理してみるのはいかがでしょうか。この弁図が重なり合うところで、さらなる要素 Passion (やりがい) Mission (役割) Vocation (職業) Profession (専門性)が明確になってきます。

このモデルをもとに抱負や目標を考えるうえで重要なことは、まずは他人のものさしに影響されることなく自分自身の好きなことや情熱に正直に耳を傾け、そのうえで社会や組織に与えうる影響やインパクトについて考えることです。


皆さんのIKIGAIは何ですか?このモデルについて理解を深めたい方や、組織において活発に議論をしたい方がいらっしゃいましたら、ぜひIkigai Authenticにお問い合わせください。

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自分の価値観や感情はどうやって社会においても保たれるのか?